黒騎士探偵術 偵初法撮影 機材について
- blackknight3214

- 2019年3月6日
- 読了時間: 6分
撮影機材について
現在最も主流なのはソニー製ホームビデオではなかろうか 次点でビクター製か
私も一通りのビデオカメラは試したが
供給の安定度(製品、付属品の互換品等含む)において優れており
起動速度(ファインダーを開いてから撮影開始に至るまでの時間)の速さ
調査業業界内の普及度(これも重要なポイントで、他社の探偵と合同で調査した際
機材の違いのせいで思わぬトラブルやデータの互換性の問題で
非常に無駄な時間を費やすことがある)
様々なことを加味してソニー製が選ばれていると思う。
これから撮影機材を購入しようという初心の者は現時点で最良の選択は
ソニー製の実売4万前後のカメラだろう。
もう少し具体的に述べる。
先の道具についての項で述べたが
良い道具の条件とは
小さい、軽い。
壊れにくい。
安価。安定した供給。
多目的に使える。
である。
まず
小さい 軽い
に関してだが ありがちな横型ビデオカメラよりはスパイカメラのようなものが
はるかに小さく軽く、秘匿性に優れている。
最近はアクションカムのようなもの出そろってきている。
しかし 実際のところこのようなカメラはごく近距離で使う特殊機材の範囲に入る。
小さいカメラは概して光学ズームが弱く(このレベルになると光学ズーム機能自体ほぼ無い)調査対象者とごく近い距離でないと撮影は出来ない。
つまり自ら調査対象者に近づき続ける必要があり、露見するリスクが極端に高くなる。
したがって撮影はバレないが尾行はバレるという状況に陥りやすい。
※しかし撮影がバレないというのは非常に大きなメリットがある為、これを撮影機材の
メインとして尾行張り込みに人員を使うという方法を取れば予算はかかるが
良い調査結果を残せる。
これらより少し大きく光学ズームを備えた器材もある(ザクティ系、ソニーの縦型ビデオなど)
これらは通常のビデオカメラより明らかに小さく秘匿性に優れている。
しかし小さい為構造上の問題か映像が荒くズームもやはり弱い。(私は電子機器の専門家や電機屋、カメラ屋ではないので構造の事は詳しくはわからない)
このレベルのカメラならデジタルズームと合わせて距離を取りながら尾行撮影は
可能であるが、先ほど述べた主流になっているクラスのビデオカメラと比べると
明らかに画質で見劣りする。
これは相対的なものなので他社と比べる状況にないのなら問題はない。
比べられる状況にあるなら大問題である。
動画の出来栄えにおいて明らかに差が出る。
壊れにくい
この業界においては小さな機材より大きな器材の方が壊れやすい。
なぜか
単純に機材を誤って落としたりすることが多いからである。
つまり高価で高性能なビデオカメラは壊しやすいということになる。
これに対して小さな機材はあまり壊れない。
ただ自然に故障したりバッテリーの劣化が早かったりという事はある。
安価、安定した供給
非常に重要なポイントである。
我々の使用頻度だと新品で購入したビデオカメラが2年もつことはあまりない
往々にして1年と数か月くらいでどこかしらかが壊れて買い替えることになる。
そのたびに高価な最上位機種を買ってはいられないというのが実情である。
またメーカー自体が生産を中止したり、すぐに廃盤になって
せっかく購入した付属品(バッテリー充電器等)が使えなくなるのも困る。
非常に優れた機種も廃盤になってしまえば長くは使えない(シャープVL-MX等)
そのようなことを考えて現在ではソニーが選ばれやすい。
多目的に使える
現在、ビデオカメラで動画を撮影しその動画から静止画を切り出し、それを報告書に使うというパターンが固定化している。
報告書に使うという点が重要で
ビデオカメラの動画から切り出した静止画を写真としてプリントした場合、驚くほど画質が悪い。(そのような使用用途がある場合はあらかじめそれに即した機材を使用するか
機材をそのような使用に堪える設定にしておかなくてはならない)
このような機能は現行の器材ならほぼすべてが備えている。
それに加えて欲しいのが赤外線撮影 いわゆるナイトショット機能である。
残念ながらこの機能は現行では上位機種にしか備わっておらず、ほとんどの機種が大型化してしまっている。
実際のところそこまで使用頻度は高くない(赤外線照射距離が短い為、かなり近づかなければ用をなさない)のだが
夜間の撮影で
あれば映った、ないので何も映らなかった
ということが起こる。
夜間撮影専用の特殊機材などはもちろん出回っているが、尾行中にそれらをサッと取り出し使用することは無理がある。
※4k映像について
結論だけ述べる。現在のところ全く使用するところがない。
まずデータ容量が大きすぎて扱うのに苦慮する。
仮にその品質のデータを提出したとしてもそれを再生できる機器が普及しきっていない為再生できない。
というわけで4k、ブルーレイ品質を宣伝文句にしている業者があればそれは子供だましである。
これらを総合して考えると先ほどの通り
ソニー製の現行機種になる。
カラダや手が大きい者なら上位機種のAXシリーズを使えるだろうが一般にはCXシリーズになるだろう。
注意点はバッテリーの型式である。
我々にとってビデオのバッテリーというのは車でいうガソリン、RPGでいうMPのようなもので、あれば安心できるが、なければ非常に神経を尖らせなければならなくなる。
純正のバッテリーは高価であるが中国製の互換品は非常に安い(大体純正1個の金額で互換品3~4つは買える)
これを複数個用意しておくのが基本である。(こんなことを大っぴらに書くと非難されるだろうが、探偵業界の人間は虚を捨て実を取らなけらばならない)
ここ2年くらいの間に出た機種は10年ほど前の機種と比べると起動速度が驚くほど速く、撮影ポイントを目視してから構えても簡単に間に合うようになっている。
以前は
例えば「お!出て来た!撮らなきゃ!」や「うわ!この店入るのかよ!」とか「おっと車のったぞ今!」みたいな瞬間に撮影が間に合う事は稀だったが
今ではその瞬間ビデオを出しファインダーを開けば撮影が間に合う。
これも相対的なもので 同業他社が間に合っていなければ自分も間に合わなくてもそう問題にはならないが
他社の報告書、映像がそのような瞬間に間に合いきっちりした見栄えの良い結果を残しているのに対してこちらがそれに間に合っていない50点の結果を出していたのではどうしようもない。
昔はそれらに間に合わせるために 歩き方や通路のライン取り、速度、周囲の環境を見て撮影の用意をしながら尾行したり
1秒でも早く対象者を認識して撮影準備をするために知恵を絞ったりしたものだが
最近はこのような修行をせずとも楽に結果を残せてしまう。
撮影機材に関してはとにかく慣れが必要である。
基本的な使い方と細かい設定まで熟知している必要がある。
昔の携帯電話(いわゆるフューチャーフォン、ガラケー)と同じく
各社新機種が出ても基本的な使い方、メニュー画面等は統一されている。
一度一つのカメラに慣れたら今後そのメーカーが販売するカメラは容易に使いこなせるだろう。
但し、ビデオカメラというのはあくまで手段の一つにすぎない。
記憶→メモ→カメラと証拠の保存方法は移り変わっている。
本質を忘れず居つかないことが肝要である。
次回 撮影方法の基本について述べる。









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