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黒騎士探偵術 偵初法 聞き込み

  • 執筆者の写真: blackknight3214
    blackknight3214
  • 2019年5月15日
  • 読了時間: 6分

聞き込み調査


最近はあまり行われない調査である。

インターネット上でもそれが顕著に表れており

どこの会社の広告も『浮気調査』ばかりである。


そして浮気調査のノウハウを記したサイトは多くあるが

聞き込みについて記されているものは少ない。


なぜか?


単純に聞き込みが出来る人間が少ない からである。


聞き込みについてはマニュアル化できる部分が少なく、個人の素養に大きく頼る。

営業マンの資質と似ている。


またここ数十年の間に見ず知らずの人間に殺されるという事件が増えたのか数多く報道されるようになったのか

それはわからないが そのような時勢から

見知らぬ人間に対する警戒心が非常に強くなっている。

これは都会ほどその傾向が強い。また30~60歳くらいの世代でも強い。

半面 高齢者や若年層はそれらの世代に比べると低いと感じる。

(つまりこの層を狙うと結果がでやすい)

そういう事もあって 見知らぬ人間である我々が情報を詳しく聞き出すことはなかなか難しくなってきている。


学歴や職歴などについてもそうで 最近は「個人情報が~」と言われて何も答えないのが常である。

つまり学歴詐称は容易い時代であるという事である。

ここ数年 私も試しに自己紹介の時に学歴を詐称し続けているが誰もわからない(それはまあそんなこと興味ない とおもわれているだけなんだろうが^。^;)


結果は個人の素養に大きく左右される為 原則を記しておく。


相手は自分の持っている情報量に応じて口を開く。

最も重要なポイントである。ここで成否が別れると言っても良い。

解説する。


聞き込む相手はもちろん調査対象者の事を知っているであろう人物だ。

それは親族であったり隣人であったり同僚であったり友人で会ったり知人であったり

調査内容により変化する。

こちらは調査員であることを伏せて接触するのが常である(調査内容や聞き込み相手によっては身分を明かしてもよい)

身分を明かして話すなら気持ちは楽だが、そういうケースは少ない。

そしてこちらは調査対象者の親族であったり隣人であったり同僚であったり友人で会ったり知人であったりに

なりきるわけである。

そこで重要なのが


調査対象者の事を自分がどれだけ知っているのか

あるいは

聞き込み相手に

自分が調査対象者と自分以上に親しい関係にあるという認識をさせるということである。


例えば

聞き込む際に


対象者の年を知らない

姓は知っていても名は知らない。

職業を知らない。

家族構成を知らない。

過去に起こした事件や事故を知らない。

という事が相手にわかれば相手は途端に


「こいつは何かおかしい。こんなことを知らないわけがない。何者だ?怪しい奴だな」


とほんの数秒で態度を変え、こちらの素性を逆に聞き込んでくる。


逆に相手が知っている以上の事や相手が知らない事実などを最初に盛り込んで話していれば

相手は


「こんなことを知っているなら身内なのは間違いない」


と態度が軟化していく。

またこちらが聞き出した話で「これはすごい話だ!いい情報が得られたぞ!」と会心の笑みをひそかに漏らし報告してみると「あー それは有名な話」なんて言われることもある。

そのような無駄も省くため


事前に依頼者から知りうるすべての事を聞いておくくらいの方が良い。

知りすぎていて損はない。


直接訪問する 電話よりは直接そこを訪ねて聞き込む方が成功率は高い。

昨今電話を使った犯罪が増えきっている時勢の為、電話での聞き込みは非常に難しい。

口を開くのは高齢者くらいであろう。


身なりをただす

ことさら言及することではない。見た目で判断される。

スーツで行くこともないが相手や設定によってはそうであったほうがよい

一発で決めるなら菓子折りでも持っていくくらいがよい。


頭を下げる

こちらは教えてもらう側である。基本的には低姿勢でいること。

高圧的な態度でよいのは犯罪にかかわる調査以外ではほぼ無い。


常に変化する。

探偵業にかかわらずほとんどの事でそうであるが、相手の反応に応じて自分も変化していかなくてはならない。

相手の態度か硬化していると感じたら話題を変えて世間話や笑い話などを織り込んだり

この流れで行けると感じたらそのまま聞けるところまで聞いてしまうなど


恐れない、焦らない

聞き込んでいるうちにこちらが弱気になってきて、もうこれ以上は怪しいなやめとこう切り上げようとなることが多い。

そして重要なことの半分くらいしかきけず 

自分はそのことすら頭の中から消えてしまっていて話を終えてしまう事がある。

(ほかで同じことを聞ける相手がいればよいが、おらずで再度訪ねてしまわなければならない羽目におちいることもある)

何をどこまで聞くかをきっちり頭に叩き込んで、聞けるならそれに派生することも自然な流れで聞かなければならない。

自然な流れを作る為に他愛のない会話や案件とは無関係な会話もしなければならない。

(そのためにはニュースやその地域に関する情報などもしっておくべきである)


時間や予算に余裕があり、より完璧な仕事を目指すなら

全く関係のない話を聞きに来たという設定で世間話を本題にするのも良い。


聞き込みは素行調査とは違い失敗したかなと思っても途中修正が効く。

素行調査は判断を誤り尾行不能になれば修正が効かない方が多い。

探偵くずれが便利屋、事件屋になるのはこれが理由だと感じる。


聞き込み調査の具体的な台本などは口伝としておく。


というのは電話で相手に住所を聞き込む時の鉄板の台本が

最近ネット上に公開されてしまっていたからだ。

私はこの台本で今まで百件近く聞き込み一度も失敗したことが無かったが

これが公開されてしまったことにより今後一切使えないだろう。

これ用の携帯電話もわざわざ基本料金払って維持してたのに^。;



聞き込みに関しては

五カ条の内

偽を最も用い

内に謀と執を宿す。

特に謀を充実させると良い。


またここで探偵術のパッシブスキル『和顔』が最も活きてくる。


聞き込みに関しては素養が問われると再三話したが

その素養を一言で言うと

「他人に対する興味・関心の強さ」と「自己の客観視」である。

この素養を持つものは簡単にこなせるし持たない者はなかなか結果が出せない。


他業種で参考になるのは記者やライターであろう。より深く学ぶならこれらの業種の手法も一部参考になると思う

警察の聞き込みは強制力を伴うので参考にはならないが

彼らがよく使う手口である

「同じことを何度も聞く」

「カマをかける」

というのは場合によっては有効なので相手の反応や話の流れで不自然でなければつかっていくのも良い。


聞き込みが出来るか否かは

探偵とただの調査員を分ける最大のポイントでもある。


聞き込みが出来ない探偵は『ただ後ろをついて行くだけの奴』と揶揄されることもある。


正しく学ぶためには講座受講をお勧めする。


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