探偵学校は是か非か
- blackknight3214

- 2020年9月19日
- 読了時間: 7分
探偵学校は是か非か

探偵になるには?
という問いに対し、一般的には
探偵社に入社し職能を学ぶ。
探偵学校に入校する。
の二択が提示される。
インターネット上でも
探偵になりたいなら探偵学校に入るより探偵社に入社するべし 探偵学校に入るのは情弱のする事だ。
概ねこのような結論にいきつく。
実際はどうなのだろうか?
過去、探偵になりたいという奇特な者が多かった時代
探偵にロマンがあると信じられていた時代 探偵学校に入れば独立開業できる。 当社規定の探偵学校を卒業すれば雇用する。 といって集金するビジネスモデルが流行した。 探偵歴~十年という講師役が白板の前でテキストを元に講義し 尾行、撮影などの実技練習をして、最終試験は張り込みから尾行、撮影を行う。
ほぼすべての探偵学校がこのカリキュラムに従っており 数か月以内に生徒は卒業していく。 卒業して雇用されるか、独立するかになるが ほとんどが独立を選ぶ。(今となっては実際雇用するほどの余裕は探偵学校運営側にはない。)
そして独立した卒業生たちは数年以内に廃業していく。
なぜ廃業してしまうのか?
様々なパターンがあるが ほとんどが 単純に集客がうまくいかず、1年たっても「依頼が0」で辞めざるを得なくなった。 あるいは
フランチャイズで独立して加盟金などでさらに金を吸い取られたあげく 毎月のFC料の支払いがかさみ、本部から仕事が回ってきたとしても相殺されギリギリの生活が続きこれなら普通の仕事をしているほうがましだとやめてしまう。 この辺りになる。
フランチャイズに嫌気がさしフランチャイズを抜けて再度、探偵事務所を設立するガッツのある者もいる。 だが実際はほぼ仕事は無く一応届け出はしているだけの副業状態であったり 調査経験が乏しすぎて依頼を受けてもまともには調査は出来ないという事が多い。
実際に国内では20年ほど前に一世を風靡したG社の探偵学校卒業生が多くいるが
その中で今も探偵業を続けているのはごくごく一部である。
現在40歳代前半~55歳くらいの出自のよくわからない探偵事務所代表に
このG社の探偵学校卒業生が多く見られる。
FCに関しては立地条件に恵まれた地域(東京、神奈川、大阪、名古屋などの人口が多い都市)でしか 生き残れたという話を聞かない。 そのような地域でならFC料を毎月払ってもブランド力と宣伝力の集客からの売り上げが勝るのであろう。 今となっては探偵になりたいという人間自体が希少になり、さらにこのような事例から 探偵学校のビジネス自体にも悪評がたってしまい ビジネスモデルとしては終わっているように見える。
では探偵社に入社し職能を学ぶルートはどうなのだろうか
私は長く探偵業界にいるが、 探偵社で勤め技術を学んでから独立する。 という道が最善かというとそうでもないとおもっている。
探偵社に入って失敗するパターンを挙げる。
暇な探偵社に入った場合
※ここでいう暇とは毎月調査活動が14日に満たない探偵社である
暇な探偵社に当たると まず仕事がない。 仕事がないので経験が得られない。
そういう探偵社に勤め独立するということは
すなわち素人探偵事務所から素人探偵が生まれるということになる。
素人探偵ではあるがマーケティングに才覚があり、資金も用意でき
集客に成功した場合
調査の経験が乏しく技能も未熟なため、調査は失敗し続けることになる。 失敗をすると 誤魔化しに神経を費やしたり 無料でやり直したり 訴えられたり という羽目に陥る。 頻繁にこのような事態に陥ったのち 最後には警察沙汰になり廃業せざるを得なくなる。
マーケティングの才覚が無く、資金もない場合
業界内にコネもない為、下請けなどもなくジリ貧になり廃業に陥る。
忙しい探偵社に当たった場合
※ここでいう忙しいとは毎月調査活動が22日以上ある探偵社である
私の見てきた限りでは
夢を持って入社してきても大体が3日から一か月、よく続いても3か月から半年で辞めてしまう 相当なやる気と人生最後の賭けという意識をもって入ってきた30歳代男性でも2年は持たない。 それもそのはず、雇う側は最初から使い捨てにするつもりだからである。 雇用する側はいつか必ず辞めるとわかっている為、雇用形態は劣悪で従業員は使いつぶされ使い捨てられることになる。
もちろん技術を熱心に指導するなんてことはありえない。 まかり間違って近所で独立でもされようものなら競争相手が増えると考え、潰しにかかるほどである。
このような会社の場合、往々にして集客と営業のトークが冴えているので多少の失敗はなんのことなく客を丸め込めるという事と
調査の失敗や空振りをするほど客から金を引っ張れるということから 調査自体はおまけのような物と考えている。
調査員にそれほど技術をおしえることもないし教えられる人材もいないというのが実情である。 また昨日入ったばかりの何もわからないような素人に現場を一人で任せるなども日時茶判事である。 調査内容としては
見失わなければ大成功。 失敗したら依頼者あるいは調査員に責任転嫁。 撮影に関しては撮れていたらラッキー、無いのが普通 というスタンスである。
このような探偵社に入ってしまうとごく僅かな極めて適正の高く覚悟が決まった者だけが生き残り それ以外は耐えられず探偵業を忌み嫌い去って行く。
※現在、探偵業で飯が食えている探偵社上がりの者はこのような者が多い。
つまり探偵社に入社し技術を得てから独立というのは、よっぽど経営者や従業員の人柄の良い探偵社に入社出来ないと不可能だということだ。 そしてそのよっぽどいい探偵社がどこなのか それを見分けることは門外漢は不可能である。 特に探偵業界で言うよっぽどいい探偵社の代表というのは 業界内に数名ほどしかいない。
つまり日本に数社しかない探偵社を見つけそこに勤めなければならないのである。 そうでなければ逆に探偵業での独立の夢、目標は断たれてしまう。 さらに辞めるころにはあなたも探偵業を忌み嫌うようになっているであろう。 このような現状の為、探偵社で技術を学び独立して成功するというのは 非常に困難な道である。 探偵社選びに成功し、自分自身に探偵としてのそれなりの適性があり、マーケティング能力(単純に商売の才覚)があり 独立時にそれなりの貯金がなければいけない(探偵社従業員は基本的に薄給である。探偵社で働いてその給料をためてなどという考えは捨てたほうがよい)
1つでも欠ければうまくいかない。 そして最も難しいのが探偵社選びである。 なぜ一番難しいかというと業界内に知人がいない限り、ほぼ運任せになるからである。 そして探偵社選びに失敗した場合、よくて独立1年で廃業、悪くて探偵業を忌み嫌い退場する
という結末が待っている。
探偵学校卒業の場合なら探偵業を忌み嫌うまでには至らないであろう。
もし探偵で独立したい 飯が食えるようになりたい そう思っているなら最初が肝心でである。 最初の選択を誤れば必ず失敗する。 過去にそのように考え、勇気を出し 行動を起こすまでに至り にもかかわらず 現在他業種についている者がどれだけ多いことか それらは 最初に関わった探偵社が外れだったこと その個人が 金儲け『しか』頭になかったこと が主な原因である。
さて当方は時代の流れに逆らって探偵学校を営業している。
当方の入学金はおそらく業界内で一番高い。
しかし、当方の弟子で探偵業で食えていない者はいない。
そして食えない場合は入学金は全額返金を保証している。
もちろん金を返す羽目に陥らない様に入学の際に簡単な適性テストをしている。
心配ご無用 どこぞの探偵社のように高校入試、大学入試のような学力テストをやらせたりは
決してしない。
もしあなたが探偵業で独立したいと思い、2年は人間を辞める覚悟(健康で文化的な生活をあきらめる覚悟)があるなら当方にご一報いただきたい。
良い弟子を持つことは喜びである。








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