黒騎士探偵術 偵初法 道具、機材についての考え方

道具、機材についての考え方

道具（調査機材）に対しての考え方は、探偵術の極意『 居つかぬこと』を表した好例である。

現在主流の調査機材のビデオカメラでの記録は数年後には廃れるかもしれない。

スマートフォンのカメラレンズの性能が上がれば撮影はスマートフォンで行われるようになるだろうし GoProのようなものがそれに代わるかもしれない。 そのうち メガネ、コンタクト、あるいは義眼にカメラの機能を持たす技術が世に出ればそれを使うかもしれない。

撮影機材に関しては流動的なもので 本質は証拠を残すこと、記録することにある。 その手段は問われない。

調査の本質は太古の昔より変わっていない

今はデジタル映像データ 一昔前はマイクロフィルム その前は書き写し。 道具がなければ体に傷として刻むこともあった。

良い道具　悪い道具

良い道具

小さい、軽い。

壊れにくい。

安価。安定した供給。

多目的に使える。

悪い道具 大きい、重い。

壊れやすい。

高価、希少で手に入れるのに手間がかかる。

用途が限られている。

道具に関しての基本的な考え方

現地調達を前提とし 自己が事前に用意していくものは変えの効かないモノと多目的に使えるモノとする。

多目的に使えるモノ

探偵の七つ道具などでよく

メモ帳、単眼鏡や折り畳み傘など定番の物が紹介されているが

当流では下記を持ちいる。

タオル　100均の黒タオル

頭に巻いて変装に使ったり、ビデオカメラを隠したりと使用用途が広く、かさばらない。

別に手足を拭いても良い。

コンビニ袋

なんにでも使える。鞄代わりにも使え、変装道具にもなり、簡易的な防水ケースにもなる。それでいてかさばらない。

スマートフォン

いうまでもなく、あらゆる機能があり、小さい。将来的にはこれ１つで調査が可能という時代が来てもおかしくないし、やろうと思えば今でも十分可能である。

替えの効かないもの

ビデオカメラ

ビデオカメラは現在の調査業界では必携のアイテムになっている。

動画から静止画の切り出しが出来るのでこれがあればカメラはいらない（静止画の出来は高性能な一眼レフカメラに遥に劣るが、実際にはそこまでの出来は求められない。さらに言うと、そのレベルの静止画の出来を基準にしてしまうと後々自分の首を絞めることになる。）

データコードも勝手に入るので証拠能力も高い。（口伝あり）

ビデオカメラはゲームで言うところのメインウェポンにあたる

（剣士なら剣、弓士なら弓、ザクならザクマシンガン）

実体のあるものに金をかけるとしたらまずはここにかけるのが効率的である。

探偵の真の武器というのはその精神と思考にあるが、表に見えている単純な武器としては撮影機材しかない。（その他口伝あり）

調査車両

車両に関しては車両尾行の際に述べる。

特殊機材（GPS、受信機類、特殊撮影機材等）

たまに特殊機材（超望遠レンズ、第1、第2世代暗視カメラなど）をおおっぴらに宣伝している探偵社を見かける。

これらの機材は使用用途が限られているにもかかわらず非常に高額である為、一般の探偵社はほぼ所有していない。

そこが競争力のポイントだとばかりにこの特殊機材を売りにしているのだが

これは半分は理があるが半分は子供だましである。

このような機材は非常に限定された条件で有効だが、それ以外では使いどころがない。

それどころかそれを所有しているがためにそれに居ついてしまい、それに頼り切りになってしまったり、まず特殊機材ありきで考えるようになり思考停止に陥ることが多い。

外出する際にナイフを持ち歩くようになった少年が、そのうちナイフが無いと不安で外に出られなくなる心理に近い。

もちろん利点もある。

本当にどうしようもない時、無理をしなくてもそれを使えば簡単に解決できることがある。

しかしこのような状況になる時は一旦引いて違う機会を狙う方がより簡単に正確な結果が出せることも多い。

特殊機材に頼りすぎるのも悪いし、特殊機材を軽んじすぎるのも従来のやり方に固執し居ついてしまっている。

実は私はこのような機材が好きで最近、サーモグラフィーカメラをわざわざイギリス経由で購入したのだが　部屋の壁をうつして

「おー壁　まっかっか　パソコンまっかっかだなー」で終わってしまった。

話がそれたが

結論として本物の実力が欲しいなら

道具の使い方を覚えるよりは道具を使わない方法に知恵を絞る方が良い。

しかしスポーツ選手が最終的にウェアや道具にいきついたり料理人が最終的に料理は具材で決まるというのと同じく

最終的な段階まで自己の技能が向上すると道具が結果を大きくわけるようになる。

特にメインウェポンに関しては調査結果の出来に影響することはもとより、その探偵の仕事に対する意欲や熱意まで見られるのでよく吟味し日ごろから注意を怠ってはならない。

道具に関しても口伝が多い。 正しい技術を学びたい方は講座『偵初法』の受講をお勧めする。