黒騎士探偵術 極意 超越五感
- blackknight3214

- 2020年8月31日
- 読了時間: 3分
視覚ほどではないがそれに準じるほど重要な感覚に
聴覚が挙げられる。
実際の調査現場においても視界が遮られている為、聴力に頼るシチュエーションによく出くわす。
また目を休ませたり、やや気の抜けた張り込みをする際、つまり手を抜くときにも聴力を頼ることがある。
例:車内で張り込む際に、視界に入るように張り込むことが苦痛なので窓を少し開け、音で判断するなど。
もちろん状況的に視界が遮られている為(つまり視界に入る場所にこちらが移動すると露見する可能性大な為)、聴力に頼るざるをえないこともある。
ドアの開閉音から入室を判断したり、階下、階上の対象者の現在地を音で目星を付けるなどもよくある。
古伝の忍術書などにも耳を活用する旨が記されている。
視力は現代人の生きる環境においては維持することが難しく、成人後も高い視力を保っている者というのは遺伝的な素質がある者か、電子機器に依存していない者くらいしか見当たらない。
しかし聴力においてはよほどの不摂生をしていなければ(爆音ヘッドホン装着、パチンコ店常駐など)致命的に弱ることは無いし、鍛えていくことも容易である。(もちろんこれも個人差があるのだが)
またこれ以外にも触覚、味覚、嗅覚も調査活動に大いに関わってくる。
触れて感じることでしか得られない情報が必要なことも、匂いで判断することもある。
味覚はさすがに現代ではあまり活用しないが
忍術書には土をなめてしょっぱければ人や動物が使用した安全な道であると判断するなどと記されている。
触覚を利用する例を挙げれば
例えば対象者が車を使い現れたはずだが、使用した車がわからない。
このようなときはボンネットやマフラー辺りを触り高い熱を持っている車があれば先ほどまで走っていた車であると判断できる。
嗅覚なら単純に匂いで今までそこに人がいたかどうかが判別できる事もある(シャンプー、香水、タバコなどの残り香)
以前にも記したが宅内から漂う食品の匂いなどで何を食べているか判断したりそれにより在室か否か、複数か一人かなどを判断したりも出来る。
またここでは五感をバラバラに分けて記述しているが
実際のところこれらは全て相互に作用し一まとめで運用される。
さらに自分の過去の経験や知識伝聞なども瞬時に加わり
能力を持たない一般人や経験の浅い調査員からは超常的な能力のように映ることがある。
しかし最近はここまでの能力が求められることは少なくなっている。
それはなぜか
依頼される調査内容が単純な素行調査 浮気調査ばかりになってきているからである。
調査対象者とその調査目的がはっきりしているため、とにかくきっちりと尾行、撮影が出来ていればよく
犯罪調査や人探しのように
こちらが窮地に陥ったり、全く手掛かりがつかめないという事が起こらない。
つまり最近の業界の風潮から
強視力さえそなえておけばよい、それさえ備えておけば大きな結果が残せる。
という風土が出来つつある。
しかし大ベテランでも一流の探偵でも忙しく仕事を詰めていればミスや失敗も起こってくる。
そのような時に挽回できる可能性があるか否かはこのような卓越した能力にかかってくる。
またこのような能力、あるいは発想、機転が
何度も言うように
ただ後ろをついて行くだけの調査員 と 本物の探偵
とを分けるポイントになる。
探偵術に終わりはない。私にしても日々精進である。







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