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探偵術 一人忍

  • 執筆者の写真: blackknight3214
    blackknight3214
  • 2018年6月30日
  • 読了時間: 5分

更新日:2018年8月17日

今回は探偵術について記す。

細かな具体的技術では無い。


 私は過去に自分の探偵術の功が成ったと感じた瞬間が幾度かある。

最近一番強く感じた時のことを語る。


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 元々私は1人で調査を遂行していた。

一般的には2人1組、最近の素人まがいの調査員を使う探偵社は3人1組でやると聞く。


 数十年前の探偵業界では車両2台以上調査員5名以上などで調査契約していたらしい。

その当時の営業部員のトークとしては

「ご自宅はこの道路に面しているので、こっちにもこっちにも出て行けますね。その場合こっちとこっちと両方に調査員が待機しておかないといけません。ですので車両は1台づつ計2台必要です。車両1台につき調査員は2名です。

もしもの時にバイクも必要ですね。バイク1台に調査員1人です。

合計で調査員5名、車両3台ですので当たり前に1時間10万円は最低でもかかります」

といった感じだ。いまだにTV、インターネットでおなじみの最大手の会社はこのトークをするという。


 話が脱線した 元に戻そう。


 私は元々1人で調査を行っていた。1人で車両尾行、徒歩尾行、張り込み、撮影の素行調査から聞き込み、その他様々な調査だ。

なぜ2人1組でやっていなかったのか?探偵業界の方ならご存じだろうし、当サイトにたどり着いている業界外の方なら想像がついているかもしれない。探偵業界では調査員の水増し請求は当たり前に行われているからだ。

つまり私は1人で調査を行っているが依頼者は当然のように2~3人で調査を行っていると思いこんでいるという事である。

 当時私が勤めていた探偵社は当たり前のようにこれを行っていた。もちろん全ての会社がこれをするわけではない。あくまで調査力に自信がある探偵社か、営業部員が失敗をごまかせるトーク力に自信がある探偵社かだ。

 当時私が勤めていた探偵社は両方に自信がある探偵社だった。


 そういうわけで私は一般的にはこれは2人必要、あるいは3人必要というような調査も1人でやらざるを得なかった。1人しかいないので自然と知恵を絞るようになるし、感覚や反応も鋭敏にならざるを得ない。(実際の調査の現場では0,5秒 気を緩めたばっかりに対象者を見失うことが多々ある。)


 しかし1人でやるとどうしても難しいシーンが出てくる。

例えば最寄り駅まで自転車で行ってそこに車が迎えに来たり、車で出かけるという情報なのに車に乗らず歩いていったり、あるいは駅まで車で行き車から降りてそこから電車に乗ったり、タクシーで最寄り駅まで行ったり、出入り口が複数個に渡る建造物を出入りしたり

パターンは様々だが 簡単に言うと交通手段を変えられてしまう事によりこちらの車両の処理が出来なかったり、物理的に1人では監視しきれないという状況になったりだ。単純な体力や集中力の問題に関しては私は使命感と責任感が肉体の限界を超えるタイプであった為

当時は特に問題ではなかった。(後にこの無理が祟ってくるのだが)

このような調査でも私はほぼ成功させてきたが、どうしても一度目は予想外の行動パターンで失敗ということがある。そういうときはその失敗を生かして2回目で成功させたり、違う角度で攻めて成功させたりしてきた。

調査バレで対象者に声をかけられることなど無かったし、ああこれは気づいてきてるな これ以上の尾行は不可能だろうということも数年に1度というレベルでしか起きなかった。

そしてそれにはこちらも勘づくので距離を取るか変装するなどしてトラブルを起こすようなことは早々無かった。


 私が独立してから、他の探偵社の社長、代表者や調査員などと2人一組、あるいは3人一組などで調査をするようになると

なぜか調査バレや怪しまれ警戒されてしまうという状況に陥ることが増えた。

数年に1度しかないようなことが、数か月に何度も起こるようになったのだ。

「おかしい 自分がバレるわけないのに 今までバレてきてないのに なぜだろう」

「知らず知らずのうちに 自分がいかがわしいオーラをまとってしまっているのか」

「年を取ったせいで怪しまれるようになったのか(張り込みは年齢が高いほど怪しまれやすい)」と思っていた。

 それから数年して

また一人で調査を行うようになった。

やはりバレないし失敗しないのだ。

 その時に気づいた

他の調査員や探偵を自分と同じレベルで見てはいけないのだ。

ましてや私と同レベルの腕の探偵というのは国内にはわずかにしか存在しないはずだ。

つまり同格と考えて相手を尊重し、相手の意見を元に調査を行ったり相手の自由にさせていたりすると調査が失敗するのだ。

逆に自分がすべて仕切って相方には指示通りに行動させる。責任はすべて自分が負う。

このような考え方に変えた後、驚くほどうまくいき始めた。

探偵業においては、その時の調査チームの中の最上位の者以外は補助でしかないし素人をまぜると足を引っ張るどころか、下手をするとその素人の腕のレベルの結果しか出なくなるのだ。

 つまり探偵術を突き詰めて行くと

自分一人で計画を立て自分のやりやすいやり方で任務を遂行していくことが最良の結果を生むことになるのだ。


 驚いたことにこの事について

『正忍記』に

「一人忍(独忍) 二人忍 三人忍(双忍)」などと記されているいう

簡単に言うと 1人で忍ぶことが一番よく2人3人と忍者を増やしても下位の者に足を引っ張られ上位の忍は腕を発揮できない。ということだ。

しかし『万川集海』には 一流の忍びが2名で動けば出来ないことは無い とも記されているという。

我々の世界でも一流の探偵が2名で調査にあたり そのうち1名が我を出さず、もう1名に従えば 相当な難度の調査も一回で120点の結果が出せる。

これも私は幾度となく経験してきたので事実だと断言できる。


 このように現代人が10年20年かけて大悟したことも数百年前の文献にあっさりと書かれてしまっていることはよくある。

やはり文字に残すということは重要なことである。


 そういうえば子供に大人気の大物youtuberがこう言ってたらしい。

「ひとりでやって責任も利益も一人占め」


 探偵業もこうであったほうが良い。


 1人で忍べる本物の技術を私は求める方に教授します。

ホンモノの探偵になりたい方のみ問い合わせください。


                                 黒騎士 ミツイシ



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