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社内での不正行為 不良従業員 その心理

  • 執筆者の写真: blackknight3214
    blackknight3214
  • 2018年5月11日
  • 読了時間: 10分

会社がある程度大きくなると、必ず起こる自社の従業員が起こす不正事件。

今も昔も変わらずこのようなことが起こり続ける。

一言で言うと横領の類なのだが、現代では金銭、近代以前ではもっぱら領地や食料が横領の対象であった。本質は同じで他人のモノを不正に自分のモノにする行為でありその対象は「財産」であったり「人生を削って得るモノ」である。

我が国では平安から江戸時代に入るまでには荘園の横領の記録が残り、江戸時代には「安永の御所騒動」という役人の不正事件で主犯の役人4名が死罪、そのほか150名ほどが処罰された記録が残っている。記録に残らないような市井での事件は数知れないだろう。そしておそらくは窃盗と同じように処罰されていたはずである。このようなことを探偵業界によくある風景から語る。



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現代社会でよく起こる横領事件といえば

店舗商売なら在庫の窃盗、レジの空打ち、売り上げ金の横領、持ち逃げ。

金融業ならいずれバレることを覚悟で先延ばしの自転車操業状態に陥ってでもやってしまう金銭の横領。

保険金の詐欺(保険会社の従業員が主導して詐欺を企てることがまれにある)

我らが探偵業なら相談員、営業部員が依頼者に水増し請求して会社には少なく申告したり

会社には成約に至らなかったと言いつつ、裏で自らが指揮して調査を行うような者がいたり。

ここ最近の情報化社会の流行としては顧客情報の外部漏洩か これもただの名簿データに過ぎないが、実質は時間と信用と金銭をかけて収集した売り上げの見込みが立つ金の成る木のようなものだ。

収集主にとっては非常に貴重な財産であろう。


このようにわかりやすい被害が出ているなら良いが

経営者の頭を悩ませるのが成績不良の従業員である。

これはすべての業種であてはまることなのだが、支払っている給与と同等かそれ以上の仕事を望んでいるのに全く成果が無い従業員のことである。

とにかく仕事が遅い、出来ない、やる気が感じられないというタイプでその中でも営業部員などは最もストレスの原因になるものである。

このような従業員をなんとかして解雇したいがその正当な理由が無ければ不当解雇に当たり今後、紛争にも発展しかねない。

このようなリスクを考慮すると「なんとかサボっていて欲しい。そのサボっている証拠があれば気持ちよく遠慮なく解雇できる!」ということで従業員の素行調査を依頼する企業も多い。

もちろんこれは一面でしかない。そのような不良従業員はサボりに加えて横領なども行うものなのだ。

『甲陽軍鑑』には「足の盗み」として主から任務を受けたものがその任務遂行中に、自分の都合で寄り道などをして仕事が遅れたり、その報告が遅れたりすることを主人の時間を盗む行為だとして戒めている。

つまりその時代から不良従業員がいたということだ。


店舗内での従業員による商品在庫の窃盗やレジ操作の不正などは現在、対策に対策が重ねられている。

レジが完全に機械化されていたり、セルフレジになっていたり、監視カメラだらけになっていてそのカメラが店員側を向いており常時それを監視する部署があったりだ。

勤務中の態度のチェックも現在では店舗商売ではミステリーショッパーを使ったり、コールセンターなどは上司が全ての通話を聞いていたりする。


それでは、わざわざ探偵社、興信所を使ってまで調べるケースについて挙げる。


1.売上金額が少ない。客数や材料の在庫と今までのデータから考えるともう少し売り上金額は多いはずだ。考えられる可能性としては責任者が最終的な数字を操作していることだ。この責任者は自分の身内のように可愛がっていたし、まさか自分を裏切るようなことはしていないと思いたい。だから直接問い詰めることはしたくないし、それをすると証拠隠滅を図るだろう。なんとかして真実を知りたい。何も不正は無く自分の勘違いならそれで良い。


2.中途採用で営業部員を雇った。この営業部員は履歴書の記述によれば、前職では相当な結果を残しており、経歴も文句が無いのでそれなりの待遇で雇用した。

しかし、雇用してしばらく時間がたってはいるのに一向に結果を出さない。催促すると今仕込み中だとか今動いているとか「~している」という話ばかりで「~した」「~できた」という話が無い。ほぼ毎日外回りの営業に出ているが本当に仕事をしているのか。していないなら即刻解雇したい。


3.当社は損害賠償保険事業を行っている。その中で自動車保険を扱っているのだが

とある交通事故の処理の中で、事故の被害者加害者と事故車両の修理工場がブラックリストに入っているものがあった。そしてその件の担当者なのだが、これがこの被害者加害者と年齢が近く、住所も遠くない。さらに似たような案件を過去にも担当している。

まさかこの従業員が事故をでっちあげているのではないか?


4.当社には長い付き合いをしている下請け会社がいる。そこの社長は今までは下手に出た態度の人間だったが、最近、不遜な態度を取ったり、価格など取引のことに関してこちらが譲歩できるギリギリのラインまで要求してきたり、こちらの内情を知っているかのような口ぶりで世間話をしてくることがある。どうもおかしい。従業員の中にスパイがいるのではないか。


それでは順に解説する。


1について

かなり詳細に経緯を書いてはいるが換骨奪胎して考えてほしい。

自分の事業を任せている部下がおり、その部下とは付き合いも長い。

そしてその部下が横領をしているかもしれないと疑っている。本心としては勘違いであってほしいと思っているが、状況証拠と自分の勘がこの部下をクロだと予想している。

別に部下でなくてもいい。

本質的には、

仕事上の付き合いである程度の信頼関係があったはずの他人が私腹を肥やすために自分を裏切っているかもしれないという疑念が生まれた。

問い詰めて白状させることは不可能。

ということだ。

この場合、実際に調査をするとほぼ100%クロで終わる。ほぼ100%と言ったのは私の経験上では結果は100%クロだったからだ。

このようなケースは通常の素行調査で事足りるが、金銭の横領の具体的な証拠となると隠しカメラを仕掛けたりなど、内部の協力者が必要になってくることがある。


2について

非常によくあるケースで定期的に社員の素行調査をしている企業もあるほどだ。

最近は営業車にGPSを設置して外回り中の行動を監視し、調査いらずという企業も増えてきた。

しかし車は使わない、あるいは公共交通機関で移動という社員も多い為どうしても本格的に調べるなら行動調査に頼らざるを得ない。

この例でも詳細に経緯を書いているが

本質的には、給与に見合った仕事をしない従業員を解雇したいが、正当な解雇事由が欲しい。

給与に見合った仕事をしないということは必ず仕事をサボっているはずだ。

という事になる。

この場合も調査をするとほぼ100%クロである。

サボり方は千差万別、堂々とパチンコ店をハシゴする者から家に帰ってしまう者、喫茶店で時間をつぶすもの、車で1日寝ているもの などなど その土地や個人の趣向に応じて様々なパターンがある。

このようなケースは行動調査で簡単に結果が出るが、途中経過を聞いてしまった依頼者が我慢できずについつい「おい いまどこにいるんだ」等と言ってしまい急に警戒させてしまい調査の難易度を引き上げることがしばしば起こる。


3について

損害保険会社は独自のデータベースを持っており、怪しいと睨んだ対象者の中でも治療費の水増し請求などではなく

事故自体のでっち上げ等の本格的な詐欺行為に関しては相当高い精度でクロである対象者を選別してくる。

このような案件もやはりほぼ100%クロである。

しかし相手も詐欺事件を起こしていると認識しているので相当な用心や警戒心があり、調査の難易度は高い。関係者も複数おり、住居の定まっていない者や行動パターンが不規則な者も多い。相当な時間をかけて慎重に調査を進め、それ相応の経験と腕のある調査員が調査に当たらなければ失敗することもある。

行動調査と合わせて、渉外担当の警察OBが尋問して自供させるという手段も小悪党相手には有効である。


4について

自社の機密情報が他社に漏れている。ということになる。それに気づくきっかけは色々あるが、やはり経営者の勘というものが働くのだろう。相手の発言や態度の端々から不穏な違和感のようなものを感じ取ったり、タイミング良くこちらのプランを牽制してきたりでおかしいと感じ、あいつかあいつかあいつだ!などと犯人の目星までつけてしまう。

そしてその目星は大体正しい。


コンプライアンスなんて言葉は聞いたことが無い。

なんて業種の人間同士なら盗聴器なども出てくるがそれは稀である。

よくあるのがこちらの従業員と他社の従業員が会社同士の付き合いから発展し個人間の恋愛関係に至り、会社内の内情が事細かに漏洩してしまっているパターンだ。

こちらが女性従業員、相手側が男性で役職持ち、あるいは経営者などのパターンが最も多い。

この場合も行動調査で簡単に露見する。ただしそのような経緯の二人というのは会社帰りに会って食事等をするので必然的に会社の近辺で待ち合わせすることが多く、同僚などに見られないように多少警戒心があったりする。まあそれは調査員は同僚ではないのでよほど未熟なものでない限りは失敗しないだろう。

結果が出て別れさせることは人権侵害で不可能であろうから今後はその社員には雑用か外回りでもやらせるしかないだろう。


では

このような不正にはしる従業員は なぜ不正に走るのだろうか?


理由の最たるものは

金だ 単純に金が欲しい 金が足りない 金が欲しい 現代ではこれが最も多い


ではこのような不正を行う従業員に共通している特徴を参考に挙げる。


・ギャンブル狂、色情狂、異性に対して極端に見栄を張る性格。

そしてこれらの要因により多重債務に陥ってる者。

この特徴を持つ者が金銭の管理を任される役職に就いた場合、高い確率で横領、着服、横流しが行われる。そして本人は誰にも監督されず、社内の管理システムを熟知している為、発覚は大幅に遅れ被害額は膨らんでしまう。


・トップクラスの経歴を持つベテラン。あるいは高学歴等で中途採用の者。

採用前に採用調査を行えば防ぐことが出来るが、非常に高い技術や経験、見識、実績を持っているなどと売り込み、高額な給料や年棒を詐取する詐欺師のような者が最近は目立つ。このような者を雇ってしまったが最後、雇った自分たちに責任があるという思いと、いやたまたま失敗しているだけで本調子ではない。少し時間がたてば大きな業績を上げてくれるだろうという願望に近い希望的観測で我慢するという状態になり給料という名目で金銭を詐取され続けることになり、そのせいで元々働いていた優秀な人材が去っていき倒産に至るというのがパターンである。


・自己評価が高い、自己中心的な性格の者。

このような者が自分の能力、実績に給料やポストが釣り合わないと感じると、できる範囲内であらゆる不正に手を染めていく。彼らの中では自分こそが被害者であるので行動に出ると歯止めがきかない。大規模な個人情報流出事件や産業スパイなどが典型で、就いているポストや職権によりあらゆる被害が起こることになる。


そして現実には社内不正に手を染めるものはこの3つの特徴の内、全てかあるいは2つを備えているものが多い。

これは現代でも古代でも国境を問わず共通している。


経営者がおかしいと感じた時、深刻な状況に至っていることが多い。


ではいかにこれを防ぐのか

我が国ではこのリスクを避けるために新卒至上主義、終身雇用制だったのであろう。

そうもいかないなら、これも我が国では伝統であった本採用前に採用調査をしっかり行うことだ。欧米では今でも重要なポジションに就く人材は徹底的にスクリーニングされている。



さてこの採用調査だが

ほとんどがインチキであるとご存じだろうか。

インチキもインチキでまともに調査をしている会社などほとんどないのが現状だ。

酷い会社だと、調査担当者がサイコロをふって「良」「可」「悪」等の判定をして報告したり、とりあえずテンプレートの文章を作って全てそれで済ませたりだ。

実際のところ現在のように個人情報保護が声高らかに謳われるようになってしまうと、学歴職歴に関してはほとんど聞き込みが出来なくなってしまっている。しかしその部分においては実際はいくらでも対応可能で

真面目にやればかなりしっかしとした採用調査が出来る。

世の中の探偵社がインチキ採用調査しかできないのは単純に能力が無いのとやる気もないからである。まあ依頼主側の予算の問題もあるのだろうが(採用調査の単価は非常に安い)


探偵社選びは本当に難しい。

 このような事案に対しては私は率直なアドバイスを行っています。 もし探偵社に調査を依頼するような事があれば、大損をしない為にも依頼する前に一度私にご連絡ください。 私は完全にあなたになり、あなたの為に最善のアドバイスをします。

黒騎士 ミツイシ





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